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2012年 09月 05日

ASUKA II 世界一周クルーズ'12 キーン先生講演/AROUND THE WORLD CRUISE '12 Dr. Keene's lecture

4月25日(火) 終日航海 ドナルド・キーン先生講演 / 航海情報など
Wed. April 25  At sea Dr. Donald Keene's lecture / Cruising Data

新潮社発行のKeene先生のご著書 (カタカナの自筆サイン)
Dr. Keene's Complete Works published recently (autographed in Japanese Katakana characters)
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晴れて日本人になられたドナルド・キーン先生のご講演の2回目。私の雑なメモですが、貴重な裏話などもあり興味をそそられたので紹介してみます。

演題:「私の出会った日本の作家たち」 / Great Japanese Authors I Met

外国人であるゆえに、多くの文学者に直接会い付き合う折に恵まれた。

谷崎潤一郎 Junichiro Tanizaki

1953年キーン先生が京都に留学した時代は今振り返ると日本文学の黄金時代。日本の古典の専門家 
アーサー・ウェイリーの「源氏物語」翻訳などに先生も大きな影響を受ける。
谷崎潤一郎氏は「細雪」の翻訳を希望し献呈本をキーン先生に贈る。しかし「細雪」中の会話が関西弁であったため「僕には歯が立ちませんでした」とのこと。結果1954年サイデンステッカー氏が「細雪」翻訳を託されるのに同行し初めて谷崎邸を訪問。キーン先生の目には、谷崎氏は「老大家」に映った。また「美食家」であった。熱海に居を移してのちも、京都から食材を当時の「特急ハト」に載せて毎日輸送させていた。「客嫌い」で有名であったがなぜかキーン先生を厚遇してくれた。

永井荷風 Kafu Nagai

永井荷風の文学の日本語の美に感涙したキーン先生は中央公論社の嶋中雄作氏と永井邸を訪ねた。日本語の美しさとは裏腹に自宅は埃だらけで荷風先生はだらしない姿でいらしたとのこと。キーン先生は「隅田川」の英語訳をなされた。

川端康成 Yasunari Kawabata

川端氏がペンクラブの会長時初めて会う。なかなか人に会わない人で、会っても沈黙の長い人であった。しかしキーン先生に対しては別であった。
中央公論の日本文学全集の選考委員にキーン先生も加わったが、谷崎作品も夏目漱石作品も各3作にするのに対し川端作品は1作だけの掲載でいいと主張。

三島由紀夫 Yukio Mishima

嶋中氏の紹介で国立劇場ではじめて会う。敬語を使わない交友を求められたが、キーン先生には困難だった。三島氏は「ねばっこい」関係を嫌った。
00:00~06:00に執筆活動、その後就寝、運動、そして友人との会食といった日常で、家庭での役割は一切しなかった。しかし夏休みは伊豆のホテルで一切仕事をせず家族と過ごすことに充てていた。
キーン先生の表現そのまま「あの人は毎日ホテルのプールサイドにいました。泳ぐためではなかったです。自分の体を見せるためにプールサイドに居座っていました。」
最後の夏、そこにキーン先生を招いた。そのとき「『豊饒の海』で人生で成すことを完結した」と笑っていた。3人で7人分の伊勢海老を注文した。これで好きなエビも最後と思っていたのかとも思う。

司馬遼太郎 Ryotaro Shiba

司馬文学は日本の戦後の文学のどこにも入っていない。文学者として司馬氏を書いたのはキーン先生が初めてである。司馬文学は知識の洪水。これほどの知識を持った人にであったことはなかった。
国家主義を嫌った人であった。バスク地方の例を挙げられた。作家であり、思想家であり、人格者であった。

                                                            以上
magnifika’s ドナルド・キーン先生関連他記事 / magifika's other posts about Prof. Donald Keene
① 三島由紀夫/Yukio Mishima
② オペラ講座/Operas

現在地/Location: 22-14 S 52-52 E   進路 235度
航行速度/Speed: 18.5 knots=34 km/h

風 /Wind: 左後方南東より 10 m from the left back, southeast
うねり/Ocean swell: 左後方南東より3 m from the left back, southeast
気温/Air tempreture: 27℃
湿度/Humidity: 80%
海水温/Sea water tempreture: 27℃
水深/Sea depth: 4000 m
日本との時差/Time difference from Japan: 5 時間/5 hours


キャプテンの今日のお話 「フィン・スタビライザー」 /Captain's today's talk ”Fin-stabilizer"

横揺れ防止装置。安定必要な船に搭載。三菱重工が発明制作。揚力、抗力で横揺れを防止する装置。
時に横揺れを90%以上減じる効力がある。速力が早いほど効果が大。ゆるい速力では効果発揮できない。
ASUKA IIのフィン・スタビライザーは中央よりやや後方、救命艇一号、2号の真下あたりに設置。

A device to ease rolling installed mainly for passenger liners invented by Mitsubishi Heavy Industry. The faster the speed is, the more effectively, it works, sometimes easing rolling by 90 %,

by magnifika | 2012-09-05 21:05 | クルーズ/Cruise


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